ツァイガルニク効果で勉強も恋愛も記憶に残す!

ツァイガルニク効果とは、「達成出来なかった事や、途中で止められた事に対して、より強い記憶や印象を持つ」という心理効果になります。ん??どういうこと?という方もご安心を。これからちゃんと説明していきます!簡単に言うと、ヒトは完了出来なかった事に関しては忘れにくいって事ですね。

例えば、人生で上手くいかなかった経験(=目標を完了できなかった経験)は、時間が経過しても結構覚えていませんか?

恋愛でも、上手くいった恋より、失恋した経験(=完了できなかった恋)の方が記憶に残っていませんか?

記憶力が良い女性には理解できないかもしれませんが、男性の場合は、昔付き合ってた彼女の事はあまり思い出せないけど、誘いを断られた女性の事はよく覚えているなんていうのはよくある話。

こうした、上手くいかなかった事の方をよく覚えているという現象を、心理学の世界では「ツァイガルニク効果」と呼んでいます

あまり有名ではないかもしれませんが、記憶や恋愛などに活用すると有効な心理効果になりますので、頭に入れておくと、使える心理テクニックになるかもしれません。

では、さっそく、ツァイガルニク効果について詳しく説明していきましょう!

ツァイガルニク効果とは

ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)が発見されたのは、ドイツの心理学者クルト・レヴィン氏と、当時のソビエト連邦の心理学者ブルーマ・ツァイガルニク氏がカフェで偶然ウエイターを見ていて立てた仮説がきっかけです。

そのウエイターというのは、注文を全く紙に書かないで頭に記憶しながらオーダーをさばいていました。

もちろん、当時は注文を取る機械なんてありません。追加注文も全部頭で覚えていたそうで、お会計の時にはきちんと正確に何を頼んだか覚えていたそうです。

ところが・・・。

このウエイター、お会計が終わった後に、何を注文していたか再度尋ねてみると、全く覚えてなかったんだとか。最初の注文から30分以上、記憶していた内容が、お会計と同時にきれいさっぱり忘れ去られる。でも、お会計までは確実に覚えている。。。これは、どういう記憶の回路何だろうか!?

このことに疑問をもった二人は、「完全に終わっていない仕事や目標は(お会計がまだ済んでいない注文)緊張感があるので記憶に強く残るが、既に完了したもの(お会計済みの注文)は緊張感がなくなるために忘れやすく、結果、完了している事よりも、完了していない事の方がより長く記憶に残るのでは?」という仮説を立てたんですね。それがツァイガルニク氏のその後の研究につながっていくのです。

ツァイガルニク氏が行ったその後のある研究というのが・・・

「途中で邪魔されて中断させられた行動と、最後まで邪魔が入らず、完了できた行動とでは、記憶にどんな違いが生まれるか?」というものでした。

ツァイガルニクが行った実験

行った実験は、以下の通り。

子供から大人まで、学生を中心に164人が集められ、ある複数の作業を「出来るだけ早く完了させてください」と指示が出されます。その作業内容は、箱を組み立てたり、パズルを解いたり、粘土で形を作ったりという1つあたりは5分程度で終わる簡単なモノ。

ただ、ここからが大事なところ。

その作業中の被験者の中からランダムに「途中で邪魔を入れる」属性を作りました。

つまり、ある作業をしている最中に、いきなり中断させて途中から別の仕事をやらせるという流れです。

そして、最後に、全く邪魔されなかった属性、途中で邪魔された属性とも全員に、行った作業で内容を覚えている作業はどれかというアンケートに回答してもらいました。

すると・・・。

きちんと最後まで完了できた作業よりも、途中で邪魔が入って完了できなかった作業の方が、9割近く多く覚えていたのです。しかも、アンケートに書かれていた順番を見ると、途中で中断していた作業から順に書き出されているという傾向もみられました。

これらから、「途中で邪魔されて完了できない事は、脳に刺激が与えられ、より記憶に残る」という結果が導きだされたのです。

要するに、脳は、途中で中断させられた事柄に関しては、この後まだその作業に取り組む可能性があると認識して忘れてはならない!と反応するようです。逆に、全て完了した事柄に関しては、早く忘れてしまって、他の新しい事を記憶することに脳を使おう!と判断するのでしょう。

ツァイガルニク効果の身近な事例

ツァイガルニク効果は、割と身の回りでも経験できる事が多いものです。

いくつか具体例をあげてみましょう。

ツァイガルニク効果の具体例1:恋愛

ツァイガルニク効果を実感するには恋愛のケースを思い出していただくのが一番簡単です。

ただし・・・。フラれた経験がある人限定ですが(笑)

もし片思いで終わった恋や、フラれた恋を経験した事があるなら、その恋は、過去の恋愛の中でも、比較的強く印象に残っているのではないでしょうか?

これは、フラれた側は、「相手と付き合いたい」、「付き合い続けたい」という目標を達成できないままに、恋が終わってしまっているだけに、ツァイガルニク効果が働き、その恋愛は強く記憶に刻まれているのです。

逆に、告白されたり、別れる時に振ったりした側は、その恋愛の事をほとんど覚えていなかったりします。

こちらは、その恋愛を完了してしまっているので、脳はその記憶をとどめておく必要がないと判断し、忘れてもOKという指示をだしていると考えられるでしょう。

悲しい恋ほど早く忘れたいのに・・・脳というのはある種残酷な機能をもってますね。。。

ちなみに・・・。

このツァイガルニク効果を上手く使って恋愛を成功させる方法もあるんです。

その一つが、相手に達成感を感じる直前で切り上げる恋愛術です。

例えば、デートで丸1日最高のデートを終えて、満足感たっぷりで帰路につくと、きっと次回のデートまでのワクワク感は半減してしまいます。まあ、付き合いたてなど、お互い気持ちが熱いうちはそんなことも無いかもしれませんが、それでも、デートも食事と同じく腹八分がベストだったりするのです。

もう少し一緒にいたい。もっとあそこにも行ってみたい。

そんな気持ちを残したままその日のデートを切り上げることで、相手への想いが脳裏を離れませんので、次のデートまで気持ちをキープしたまま過ごさせる事が出来ます。

また、女性ならぜひ上手く利用したいのが、肉体関係を結ぶタイミング。

言わずもがなかもしれませんが、男性の多くは、肉体関係を結ぶことで、多少なりとも満足感=達成感を覚えてしまいます。ですので、簡単に関係を持ってしまうと、相手の中で完了モードに入ってしまい、女性の事を忘れられてしまうかもしれません。

ですから、この達成感をお預けにすることで、ツァイガルニク効果が働いて、相手への想いが脳の中でどんどん高まり続け、より好意を引き出すことが出来るわけです。

そして、このツァイガルニク効果は結婚後も使えるというのをご存知でしょうか?

結婚してしまうと、これは一つの目標を達成してしまう側面がありますので、完了!と脳が判断してしまう危険もありますが、そこで、夫婦間で何か目標を持ち続けることが出来れば、それは未完の状態を維持できるという事です。

もし最近何だかお互い冷めてるな・・・と感じるカップルは、二人で同じ方向を向ける目標を持ってみる事をおススメしますよ!

ツァイガルニク効果の具体例2:勉強

テスト期間中に勉強したことって、試験の瞬間まではしっかり覚えていたのに、テストが終わったら全く覚えてない・・・という経験はありませんか??というか、ほとんどの方があると思います。

もし覚えていたら、相当な知識が身についているはずなのに、学校で習った事をほとんど覚えてない・・・なんていう方が多いのが日本の教育の問題点とも言われていますが、テスト終了のチャイムと同時に、記憶から消されたかのごとく忘れてしまう。これもツァイガルニク効果によるものです。

テストが終わるまでは、良い点数を取らなきゃいけないという目標のために緊張感が持続して、必死に覚えた内容が頭に残っているのですが、テストが終わった瞬間に緊張感がなくなってしまい、同時に、記憶も消えていってしまうという、なんとも悲しい結果になるのです。

こういってしまうと、ツァイガルニク効果は、勉強の敵!と思われてしまいそうですが、この効果を逆手にとって上手く活用すれば、効率的に勉強できるとも言われています。

その方法が・・・

「途中でやめる」

というやり方。

勉強する時に、普通の人は、「キリのいい所までやろう!」と頑張るのですが、これをあと少しで終わりそうなところで、「強制終了~」とストップさせてしまうのです。

すると、ツァイガルニク効果によって、脳は、「まだこの作業、目標は達成されていないので忘れてはいけない!」と判断してくれて、記憶に残してくれるのです。

ドリルならあと数問の所で、歴史の年号なら時代の途中まで、など、とにかくキリの悪い、中途半端な感じで終了すると、良いわけですね。慣れるまではモヤモヤしてしょうがないかもしれませんが、次に始める時はむしろ早く完了させたい衝動にかられますので、モチベーションも上がりやすかったりします。

おすすめなのは、中途半端で終わった所も再度見直して記憶を一旦引っ張り出してから、残りの問題も着手すると、さらに効果的と言われていますので、ぜひこのツァイガルニク効果を勉強にも活用してみてください!

まとめ

さて、ここまでツァイガルニク効果についてお伝えしてまいりましたがいかがでしたでしょうか。

あまり聞きなれない心理効果かもしれませんが、事例を見ると、あるある~となったかと思います。

人生、目標達成の連続で、常に上手くいくのが理想ではありますが、もしかすると、挫折を味合わないと、記憶に何も残らない思い出不足に陥ってしまうかもしれませんね。

とはいえ、失敗や、壁にぶつかる経験はあまりしたくありませんので、常に高めの目標を設定したり、自分で途中で中断させてみたりと、ツァイガルニク効果を上手く活用して、脳を上手く誘導してみるよう意識してみてください!

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