ザイオンス効果は営業や恋愛にも使える!?

よく耳にする心理学の用語で「ザイオンス効果(ザイアンス効果)」という心理効果がありますがご存知でしょうか?

日本語にすると「熟知性の法則」や「単純接触効果」などと言われるのですが、簡単に言うと、

『同じ人や物に触れる回数が多くなるほど、好印象を持つようになる』という効果の事です。

このザイオンス効果は、日常生活のシーンで考えてみると、意外と実感できる事も多いと思います。

例えば・・・

  • 初対面の人と会話する
  • 何度か会ったことがあって人間性を知っている人と会話をする

の2択ならどちらが気軽に話せますか?

きっと多くの人が、②の方だと答えるのではないでしょうか?

また、「住めば都」という言葉がありますが、

見知らぬ街でも、住み始めて色々環境が分かるようになると、住みやすくなる、というのは引越しされたことがある方なら実感があるのではないでしょうか。

理論上は

「接触頻度が多い=好印象」

ですから、テレビCMや中吊り広告などは、短期間に一気に出稿して人の目に触れる回数を瞬間的に増やします。

その結果、その商品が何か気になったり、CMに出ているタレントや俳優さんが気になったりと、接触頻度が上がることによって、認知してもらうと同時に、ファンも増やすことが出来たりするのです。

これが逆に、断続的にポツポツ出稿すると、あまり人の記憶には残りませんし、効果的な広告にはなりません。

こういったザイオンス効果は、特に意識しなくとも、日常生活の中では自然と働いている効果という事になりますが、この効果を意識的に使うことは出来ないのか!?ということで、詳しく見ていきましょう。

ザイオンス効果とは?こんな実験から生まれた!

そもそも、ザイオンス効果はどのようにして生まれたのでしょうか?

ザイオンス効果は、アメリカの社会心理学者ロバート=ボレスワフ=ザイアンス氏が発表した理論です。

このザイアンス氏の名前からザイアンス効果といったり、“Zajonc”のつづりからザイオンス効果と言ったりするのですが、その理論の裏付けとなるザイアンス氏が行った実験はこんなものでした。

実験に参加した大学生に、知らない12人分の写真を次々に見せていくのですが、大学生には、「どれくらい正確に記憶できるかの実験」と伝えてあります。

それぞれの写真ごとに、見せる回数が実は0回、1回、2回、5回、10回、25回の6通り設定されているのですが、これらを1枚2秒ペースで合計86回次々に見せていきます。

そして写真を全部見せ終わった後に、12人の写真を並べて、それぞれの写真の好印象度を0~6の7段階で評価してもらいます。

すると・・・

見せられた回数が多い写真ほど好印象で、25回見せられた写真は0~2回の写真に比べて圧倒的にポイントが高かったのです。

その他、図形や漢字などでも同じように印象のテストが行われていますが、いずれも接触頻度が高いものほど、好印象を持つという結果になったそうです。

これらの実験はいずれも、知らない人や物を対象に見せて行っていますので、

つまり、その人物や物の持つ性格や性質とは関係なく、単に接する回数が多いだけで、好印象につながるという検証結果が証明されたというわけです。

となると、このザイオンス効果=「接触頻度による印象UPの効果」を取り入れれば、自分の印象も上手くコントロール出来そうですが。。。果たしてその効果はあるのでしょうか??

ザイオンス効果を活用する!~営業・セールス~

日常的にこのザイオンス効果を活用する場面としては、セールスや勧誘の営業などが挙げられます。

例えば、営業で新しいお客さんを探す場合、次のどちらが有効でしょうか?

  • 出来るだけたくさんの見込み客の所を訪れて、一度断られた所には二度と行かない。
  • 訪問先を絞ったうえで集中的に回り、何度も足を運んでコミュニケーションをとる

さて、ここまでの流れを読めば、答えは・・・

②というのはお分かりかと思います。

 

もちろん、毎回売り込みをかける・・・なんていうナンセンスな事はしないと思いますが、

ただ挨拶に行く、プレゼントを持って訪問するなどして何度も訪問するうちに

徐々に顔見知りになり、最初の警戒感は薄れていくというのはよくある話。

会社の保険営業などで、用がなくてもチラシを各机に配布して帰っていく、カレンダーや粗品を置くだけ置いて帰っていく営業スタッフの方などは見かけた事があるかもしれません。これらは特に会話をしなくても、目があってニコっとされたり、会釈されるだけでも、徐々に相手の脳には認知されていくので、回数を重ねれば次第に親近感がわいてくるものです。

さらに、顔を合わせられれば一番良いのですが、手紙やメールを送ったり、LINEやFacebookなどでメッセージを読んでもらうことでも、接触頻度を上げるという事では有効ですよね。

一流のお店や旅館などは、お礼の手紙、季節の挨拶、イベントの案内状など、コンタクトを重ねることに余念がありません。

ザイオンス効果は、裏を返せば、初対面では非常に警戒感が強いという事を表しています。

ですから、初対面でいきなり営業をかける、売り込む、勧誘するというのは非常にハードルが高いわけです。ならば、まずは合う回数を重ねて、警戒感を徐々に解きながら、自然と印象を良くしていく作業はセールスの場面で非常に有効と言えるでしょう。

ザイオンス効果を活用する~恋愛~

次に、恋愛に活かす場合です。

巷では、「ザイオンス効果を活用して、合う回数を増やすことで、好きな女性と付き合える確率が高まるでしょう!」なんて、おっしゃる方がたくさんいるわけですが・・・。

これ、実は非常に危険。

何故なら、好きでもない人と、そんなに何回も会うことなんてありますか??

逆に、好意を持っていない人に、用もないのに会おう!を連発されると逆に嫌になりませんか?

実はこのザイオンス効果。「嫌い」を「好き」に変えてくれる効果はないんですね。

印象が悪い中で、接触頻度を増やしてしまうと、それは悪印象を重ねるだけ。

あくまで第一印象が良い場合に、上手く効果が働くと考えなきゃいけないんです。

恋愛で活用しようと思っていた方には申し訳ないのですが、個人的にザイオンス効果は恋愛に活かす心理学としてはあまり向いていないと思っています。

それにはもう一つ理由があって、ちょっと話がそれますが、大事なポイントなのでお付き合いください。

大人の恋愛で付き合うようになるパターンは、

基本的に短期間で一気に気持ちが盛り上がって交際がスタートするケースが多いモノ。

例えば、合コンで出会って、その後何度もデートを重ねるというより、

最初から第一印象が良い⇒食事などに行く(最初のデート)⇒2度目のデートで既に好意をお互い感じている⇒告白やベッドイン⇒付き合う

というような流れが多いんですね。

ここで、何度もデートを重ねると、逆に告白のタイミングを失ってしまったり、

相手の嫌な面が見えてしまったりして、だんだん恋愛のテンションが下がってきます。

なので、恋愛を成功させるには、平均3回までのデートで決着をつけるというのがセオリーともいわれています。

この辺の話は今回のザイオンス効果とは関係ないので、また別で詳しくお話しますが、

とにかく、このザイオンス効果は恋愛で活用しようとする場合注意が必要なのです。

強いて活用するなら、特に恋愛感情が芽生えていない社内の同僚や後輩との社内恋愛とか、サークル内恋愛のきっかけなどですかね。

周りの人以上にLINEなどのやり取りを重ねているうちに、いつの間にか親密になる、というケースはよくあります。

この場合のポイントは短いメッセージのやり取りを多くするという点です。

長いメッセージを送るより、細かいメッセージで何度もやり取りしたほうが、ザイオンス効果という部分では接触頻度が上がります。単純に、長いメッセージは返すのも面倒だという人も多いですから、長さよりも回数重視というのを覚えておくと良いかもしれません。

この考えは、メッセージのやり取りだけでなく、付き合う前のランチや食事なども、気軽に数多く重ねておく事が重要です。あまり長時間の飲みなどだと、嫌な側面がお互いに垣間見えてしまったり、会話が無くなってしまったりするので、まずは短時間をたくさん重ねる意識を持つと良いでしょう。

まとめ

ザイオンス効果は、こういうと身も蓋もないですが、結構当たり前のことを言っているにすぎません。

おそらく多くの人が日常的にしている、あるいは感じている事が、理論的にも正しいということを

ザイアンス氏が証明したという程度の認識がちょうどよいかもしれません。

警戒感を解く一つの手段として、接触回数を上げることが有効だというのは覚えておいて損はないと思いますが、ただ会うだけで印象が良くなるという効果はかなり限定的だと思います。

やはり、大切な人、これから長くお付き合いしたい人と会う時には、前回よりも今回、今回よりも次回と、相手に「お!何か印象よくなった」と思わせるような、印象をよくするための努力を怠らない事が、望む結果へとつながるのではないでしょうか。

面白くないまとめで、ザイオンス効果に期待されていた方には恐縮ですが、色んな心理効果を重ねれば塵も積もれば山となるで有効に作用することもありますので、ぜひ、頭には入れておくと良いと思います。

 

 

 

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