吊り橋効果とは?~思い違いも恋のうち?~

吊り橋効果とは
「揺れる吊り橋の上のようなドキドキする場所で出会った異性とは、恋に陥りやすい」
という心理学上の理論です。

人は、素敵な異性に出会うとドキドキしますが、逆に怖い経験をしてドキドキしているときに、そばに異性が居ると、その人が素敵に見える、というものです。怖くてドキドキしているのに、その異性に魅力を感じてドキドキしていると勘違いしてしまう、という仕組みです。

ちょっとこじ付けのようにも思える理論ですが、デートでジェットコースターやホラー映画などのスリルを一緒に味わうと、2人の距離がぐっと縮まる、という話を聞くことはあります。さて、実際の効果はどれほどのものでしょう。

吊り橋効果とはどんなもの?

心理学では心の中に感情が生じる過程は、
「出来事→その出来事への解釈→感情」
という順序だと言われます。

なにやら、ややこしい感じですが、恋愛の場合で言うと、

異性に出会う(出来事)
→その異性が魅力的であると思う(その出来事への解釈)
→ドキドキしてくる(感情)

ということになります。

この順番を入れ替えて、ドキドキすることによって恋愛感情が誘発される、というのが吊り橋効果です。

ドキドキの質は何も恐怖でなくとも良く、音楽などによる興奮や、運動で心拍数が上がっただけでも何らかの効果はあると言われています。言ってみれば、勘違いを誘発する仕組みに過ぎないので、持続性はありませんが、無関心だった相手に興味を持ってもらう、というようなことは期待できる現象です。

ただ、吊り橋効果は誰にでも必ず起るというものではなく、特に女性は、男性に対して警戒心を持っている場合、怖がらせたりすれば、むしろ逆効果になる場合もあります。

吊り橋効果の実証実験

この現象は、1974年、カナダの社会心理学者、ドナルド・ダットンとアーサー・アロンが、つり橋を使った実験を元に提唱した学説なので「吊り橋理論」「吊り橋効果」といわれます。「恋の吊り橋実験」と呼ばれたこの実験は、18歳から35歳までの独身男性を対象に、カナダのバンクーバーにある高さが70メートルの吊り橋と、もう一つが、揺れない橋の2か所で行われました。

男性たちには1人ずつ橋を渡ってもらいます。すると橋の中央で突然、若い女性がアンケートを求めて来ます。そしてアンケートの後すぐに「結果などに関心がある場合は、後日電話を下さい」と電話番号を教えたのです。結果としては、揺れる吊り橋の方は半分ほどの男性が電話をかけ、揺れない方は1割程度でした。この実験により、吊り橋効果が確認されたのです。

メリーランド大学のグレゴリー・ホワイトは、吊り橋効果が出るためには、女性が美人である必要があるのではないか、と考えました。そこで、不美人のメイクをした女性で同様の実験を行ったところ、まあ、みなさんの予想通りでしょうが、美人でないと逆効果、より警戒心が強まる結果になったのでした。

吊り橋効果の起こるとき

やはり、怖い体験をしているときに吊り橋効果は多く起こるようです。罰ゲームで、異性と2人で肝試しをしたとか、たまたま2人で迷子になったとか。学校や職場で、一緒に叱られていた友達や同僚が好きになってしまった、という話も珍しくありません。

運動をしていると心拍数が上がります。当然ですが恋愛のドキドキとは何の関係もありません。それでもやはり、吊り橋効果は起こります。トレーニングジムのインストラクターがやたらと魅力的に見える、とか、一緒にスポーツの練習をしているうちに恋に落ちる、というパターン。

ちょっとしたイタズラなどの、ドキドキするような楽しいことを、一緒にしているうちに相手が気になりだす、ということも多いです。これは単純な吊り橋効果だけではなく、楽しい気分と相手の印象が結び付いてしまう、という効果も影響しています。

恋愛テクニックとしての吊り橋効果

先に述べたように、男性を警戒している女性に対する吊り橋効果や、男性に対する不美人による吊り橋効果は、逆効果になってしまいます。恋愛テクニックとしての吊り橋効果は、ゼロをプラスに変えることはできても、マイナスをプラスには変えることは難しいということです。吊り橋効果を利用するなら、相手との距離感、特に相手の自分に対する評価がマイナスでないことが重要です。

吊り橋効果を得るには「相手がドキドキしているときに自分が一緒にいる」必要があります。ドキドキするきっかけは、緊張や不安のほか、楽しいことでも構いません。ただし、相手の近くにいる異性は、自分1人であることが望ましいでしょう。

吊り橋効果が起こりやすい状況は?

吊り橋効果を期待できる状況としては、ジェットコースターやホラー映画などのほか、一緒にお酒を飲むという方法もあります。お酒を飲むと心拍数は自然に上がりますし、アルコールは少し大胆にしてくれます。運動も心拍数を上げますから、一緒にジョギングをするのも効果があります。

ただ、一方的に好意を寄せている相手をそのような場所に誘うのは難しいでしょうし、強引に誘っては逆効果です。相手が、自然とドキドキする場面に居合わせるのが理想的でしょう。

例に挙げた以外にもドキドキすることは沢山ありますが、仕事でも趣味でも、新しいことを始めるときには緊張、期待、不安などがいりまじってドキドキするものです。何かを始める、というときに相談に乗ってあげる、あるいは同じ時期に自分も始める、というのが吊り橋効果の期待できる場面です。

まとめ

先に述べた通り、吊り橋効果は勘違いに過ぎず、長続きはしません。吊り橋効果を利用して、もしも気になる異性の関心を得ることができたら、その後は、小さなドキドキを積み重ねて恋を完成させるように心掛けてくださいね。

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