シャワー効果とは?~顧客を上から下へ誘導する~

シャワー効果というのは、デパートなどの商業施設で、上階、あるいは入り口から遠い奥の施設を充実させ、店舗全体の売り上げ増加につなげる販売方法です。目玉商品やイベント会場を最上階に位置させることで、行き帰りの「ついで買い」を期待します。
屋上に人気の高いガーデニングショップを配置する、最上階のレストラン街を充実させる、バーゲン会場を上階に配置するなどの方法がシャワー効果を期待した例になります。

買物客は目当ての上階にたどり着くまでの間に、様々な商品を目にしながら店内を移動していきます。そして、帰る際もまた同じように、様々な商品を目にしながら店内を降りていきます。買物客がが店内を移動して様々な商品を目にするということは、それだけ商品が目に留まってついでに購入してもらえる確率が高くなるということになります。

目に入らない商品はないのと同じ

売り手に取っては、商品ができるだけ買物客の目に入るようにすることが販売戦略上重要なことです。買物客の目に入らないということは、存在しないことと同じです。そのためには、買物客にできるだけ店内を移動してもらわなければなりません。商品や売り場の配置もそれを狙って考えます。

コンビニエンスストアでは、入り口から最も遠い奥や隅の位置に、良く売れる商品を置くことで、買物客の目が途中の棚に留まるようにしています。売れる商品は店によって違うでしょうが、多くの場合、お弁当とおにぎりやジュースなどの飲料です。同様に、スーパーでは主力商品の肉や魚を奥に配置します。デパートの屋上で期間限定イベントやバーゲン、物産展の催しなどを行うのも同じ理由からです。

製造業におけるシャワー効果

例えば、自動車で言えば、スポーツカーは開発にも製造にも多くのコストがかかりますが、台数がたくさん出るわけではありません。つまり一般的な乗用車を作っている自動車メーカーにとって、スポーツカー自体の旨みは少ないということになります。

しかし、商品ラインナップの中に、スポーツカーがあると華やかな印象を与えます。また、高性能な車を開発製造しているということは技術力の高さを顧客に印象付けることが出来ます。スポーツカーという高性能車をラインナップに持つことで、メーカー全体のイメージアップに繋がるのです。

このように、最上位の製品を開発製造したり、その分野で高いシェアを占めたりすることが、販売戦略上有利に働くことも、上位の製品の存在が下位の製品の売れ行きに影響することから、商業施設の用法から転じてシャワー効果と呼ぶことがあります。

流行におけるシャワー効果

流行においてもシャワー効果という言葉が使われることがあります。流行には源流があり、そこから下流に向けて広がっていく、という理論です。

ファッションデザインで言えば、パリやミラノのコレクションが源流で、そこから様々な中間段階を経て、街の衣料品店や大量量販店に広がってくる、という形です。

もちろん、この図式にあてはまらないブランドもありますが、多くのデザインが上層の良いデザインの影響を受けます。模倣を繰り返すことで多くのデザインが変化していきますが、それは多様化を生むことにも繋がっています。

消費者の立場からシャワー効果を考える

売り手が私たち消費者にお金を使わせようとしているのだから、シャワー効果は悪いものだ。と思うかもしれません。確かに販売戦略としてシャワー効果が使われている場面は自然と溢れています。しかし、それが悪いことだとはいえません。

例えば、店の奥まで進む中で今まで気付かなかった良い商品、面白い商品に気付かせてくれる可能性があります。買い忘れていた商品があったことを、陳列を見て思い出すかもしれません。また、スーパーなどでの陳列や配置はある程度シャワー効果によって法則性を持っていることが多いため、だいたいこのあたりに「お肉が置いてあるはず」という買い物のしやすさを生み出しています。

ネットショップでシャワー効果は有効か?

では実店舗を持たないネットショップで考えて見ましょう。ホームページではトップページからリンクをたどらなくても、検索語やURLを入力して目的のページへジャンプできます。目玉商品をページの最下段に置いても、やはり「End」キーでジャンプできますから、買物客を歩き回らせる、という意味ではシャワー効果を利用できません。サイト内を迷わせるようなリンクを作ればお客を怒らせるだけでしょう。

むやみに奥まで回遊させるという意味でのネットショップへの誘導は使えません。しかし、よく読まれている記事に広告を差し込む。よく売れている商品と同じページに売りたい商品を表示するなど、車の例でいう上位ラインナップに添える形のシャワー効果であればネットショップでも有効と言えるでしょう。

まとめ

シャワー効果は、あえて目玉となるものを奥へ配置することで道中にも目が行くようにする方法です。

スーパーの食品売り場など生活に自然と根付いている効果のひとつでもあります。

マーケティングや販売などの仕事に関わっている方はぜひ仕事に取り入れてみてはどうでしょうか?

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