ピークエンドの法則を使って伝えたいことをしっかり伝えよう!

終わりよければ全て良し!

誰が言い始めたか知りませんが、誰しも一度は耳にしたことがあるこの格言。

単なる日本の文化的な思考ではなく、心理学的にもしっかりと裏打ちされたことわざなんですね。

 

この言葉を心理学的証明するのが「ピークエンドの法則」です。

 

ピークエンドの法則とは、私たちは過去の記憶を「感情としてピーク(絶頂)を迎えた瞬間どうだったかと、それが最終的に終わる時にどう感じたか」によって判断するという傾向の事をいいます。

 

つまり、嬉しかったとか、悲しかった、面白かった、つまんなかった・・・などの記憶は、その物事がピーク(絶頂)を迎えた瞬間と、エンド(終わりの局面)でどうだったか?によって左右されるという事で、全体としてどうだったか?や、平均的にどうだったか?というのはあまり影響されないという事なんですね。

 

このピークエンドの法則を上手く活用すれば、日ごろのコミュニケーションや、恋愛、接客、セールスなど色々な場面で活用できると思いますので、ぜひ覚えてください!

 

それでは、さっそく詳しく見ていきましょう!

ピークエンドの法則を提唱したカールマンの実験

まず、このピークエンドの法則を提唱したのは、2002年にノーベル経済学賞を受賞した、ダニエル=カールマンです。このカールマンが1999年に発表した論文の中で、「人はほとんどの経験を、ピーク(最高か最悪の瞬間)とエンド(最終局面)でどうだったかによって判断している」という理論として提起しています。

 

このピークエンドの法則を確かめるためにカールマンが行った実験をご紹介しますが、その前に、以下の質問をされた場合あなたはどちらを選びますか??

 

AとBのどちらが良いか選択してください。

A 痛い位冷たい水に60秒間手をつける
B 痛い位冷たい水に90秒間手をつける。ただし、最後の30秒間は水の温度を1度上げる

さあ、どちらが良いでしょう(笑)??

どっちも嫌!なのは分かりますが・・・しいて選ぶなら、で考えてみてください。

 

 

おそらく、あなたが選んだのはAではないでしょうか?

普通に考えれば、BもAと同じ60秒間は冷水に手をつけているので、手をつけている時間が延びるBを選ぶメリットはないはずです。

 

しかし、実験ではBを選んだ人が多かったという結果が出たのです。

 

実験の内容は以下のようなものでした。

被験者は7分ずつ間をおいて、14℃の冷たい水に3回手を浸けるようにいわれます。

1回目は片手を14℃の水に60秒入れてもらいます。

2回目は反対側の手を14℃の水に60秒入れたあと、さらに30秒延長するのですが、最後の30秒の間に水温をゆっくり15℃に上げていきます。

 

そして少し間をおいて3回目。ここで、被験者は「1回目の60秒で終わるパターンと2回目の90秒のパターン。もう一回やるなら、どちらがいいか?」と問われます。

 

すると・・・・なんと、2度目にやってもらった90秒のパターンの方が良いと答えた人の方が多かったのです。

 

ちょっと理解に苦しむ結果なのですが、実際に体験すると、ヒトはそういう判断を下すというのが分かりました。なぜこんな事が起きるのかというと、1回目と2回目の記憶を思い出そうとした時に、2回目の方が、最後楽に感じたという記憶が優先されて、全体としても何か楽だったような気がしてしまうという判断なのです。

 

もちろん、不快な時間の総量としては1回目の方が短いのは間違いありません。

しかし、記憶では、その全体よりも、終わり方の部分が優先されて思い出されてしまい、2回目の方が楽だという判断を下してしまったのです。

 

それだけ人間の脳は、最後の感情を優先的に判断基準に取り入れてしまうんですね。

ピークエンドの法則を活かす

実生活でこのピークエンドの法則を活かしたい!と思うなら、単純ですが、ピークを作る!そして、最後をプラスの展開で終わる!の2点につきます。

 

例えば、恋愛であればデートの時に、まずは、ピークの瞬間をいかに作るかという事になります。

どうしても、デートの全体構成を意識してしまいがちですが、そこそこのデート内容を1日を通してセッティングするよりも、とにかく最高!素敵!と思える時間を1か所作れているかどうかの方が重要です。

 

逆に、そのピークの瞬間が作れていなければ、そのデートは薄っぺらい印象になってしまうという事ですので、リードする男性のみなさんは要注意です。

 

そして、もう一つはエンド。つまり別れ際ということになりますが、「じゃあ、また」と別れる時にどれだけ良い印象を残せるか、つまり余韻を残せるかがポイントになります。

「今日は楽しかったね」「ありがとう!」などといったポジティブで温かい感情をいかに表現できるかというのが大切ですので、キチンと気持ちは伝えてから別れるようにしましょう。同時に、去り際も一度振り返って目を合わせる、会釈する位の余韻は欲しいところ。名残惜しさを込めることで、「また会いたい」というメッセージは自然と伝わります。こういった去り際の意識が、全体の印象をも左右するという事になりますので、最後まで気を抜かないというのは男女ともに必須ですね。

 

ビジネスの場であれば、セミナーやプレゼン、セールスの際にこの法則を意識しているかどうかで成功が左右されると言っても過言ではありません。

 

とにかく伝えたい!という想いが強いと、言いたい事があふれ出てしまって、強弱(メリハリ)がないプレゼンになってしまいがちです。しかし、自分の中でピークを明確に意識することで、「ここだけは伝えたい!」「これが一番言いたい事ですよ!」という部分をより強調しようとしますので、結果として相手の記憶に残りやすくなります。多くの場合は、どんな構成だったとしてもピークだけしか記憶に残らないとも言えますので、プレゼンやセールストークは一点強調突破型が有効とも言えます。

 

同時に、終わり方も重要です。最後に何か聞き手に印象に残るような内容を持ってくる、2番目に盛り上がるパートを配置する、笑顔になる、楽しめる時間を作る。こういった工夫が、全体の満足度を上げると同時に、成約率を高める事にもつながります。セミナーのアンケートなどは、この終わり方さえ満足させれば、比較的高評価を得やすかったりするのですが、逆に時間がおしてしまって、急いでまくしたてながら締めを迎えるなんていう展開になると、相手の評価は低くなりますので、注意が必要です。

まとめ

ピークエンドの法則を知ってしまうと、結局はピークとエンドさえしっかりすれば、大丈夫なの?という気がしてきますね。

しかし、実際大丈夫なんです!

 

これは、自分で体験しないと分からない感覚ですが、ピークとエンドの評価=相手のトータル評価といってもほぼ間違いではありません。

 

そもそも、全ての事象、全ての話、全てのイベントを覚えられる人なんていません。

それはすなわち、相手にとって都合の良い部分しか記憶に残らないという事になります。

 

ならば、相手に印象に残したい部分を上手く強調することで、全体の印象を高めることが出来るのです。

 

もちろん、全体的に内容をブラッシュアップさせることが無駄とは言いませんし、第一印象の重要性や初頭効果などを意識すると、さらに良い印象を与えることが出来るのは確かなのですが、ピークとエンドの成功無しに、トータルでの成功はあり得ないという事なのです。

 

ぜひ、日ごろの会話や仕事の場面でも、ここがピーク!終わり(締め)は大切に!を意識しながらコミュニケーションを図っていってください!

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