「かわいい」を作ってベビーフェイス効果を得よう!

人は赤ちゃんの顔を見ると「可愛い」「守ってあげたい」という感情が沸いてきます。

無邪気な笑顔には人の警戒心をとく力があります。

そして赤ちゃんでなくても「赤ちゃんのような特徴を持っている人」にも同じ心理が働きます。

これをベビーフェイス効果といいます。

可愛い顔は得だといわれるのは、ベビーフェイス効果によって警戒心が薄れるからかもしれません。

日本はベビーフェイス効果が強く働く?

ベビーフェイス効果の根幹である「かわいい」という感情は、英語では主に「cute」と訳されます。

しかし近年では諸外国でも可愛いをそのまま「kawaii」と表記しそのままの読みで通用するようになって来ました。

これは、現在大阪大学大学院にいらっしゃる人間科学研究科、認知心理生理学研究室の入戸野弘教授がかつて書かれた論文『“かわいい”に対する行動科学的アプローチ』でも言及されています。

英訳する際に「cute」ではなく「kawaii」が使われるようになったのは、日本語の「かわいい」が意味しているものが海外の「cute」とは違ってきているからだと言われています。

例えば「キモかわいい」という言葉が存在するように日本では様々なものをかわいいと表現する文化があります。

これらは日本がベビーフェイス効果が強く働く国である証拠といえるかもしれません。

遺伝的な「かわいい」とは

人間や動物の子どもが持つ、身体的な特徴のことをベイビースキーマといいます。

オーストリアの動物行動学者、コンラート・ローレンツが1943年の論文で発表した内容として、ベイビースキーマについて以下のように言及しています。

  • ベビースキ-マを持つ生物や模型はかわいらしく感じられる
  • ベイビースキーマを持つものは周囲からの攻撃を抑制し、接近、養育、保護などを受けやすくなる
  • このような反応は、「遺伝的」なものである

1960年代以降の研究で、幼児の線画や写真によって、ベビースキ-マの特徴を備えたものは「かわいい」と評価されるという結果が出ました。

ベビースキ-マを含む顔や体型は、見ている人の「守りたい」「面倒を見たい」と言った気持ちを高め、怒りを抑制する可能性も示されています。

またこれは赤ちゃんや子供だけでなく大人であっても、同様の条件を持っていれば同じような効果を得られるとも言われています。

可愛い人が得をするというのは、遺伝的な働きによるものもあるのです。

文化的な「かわいい」とは

子どもや動物をかわいいと思うことは、全ての文化を通じて見られるものであり、日本文化の特徴ではありません。

日本文化の特徴としての「かわいい」は、幼いもの、小さいものに私的な価値を認め、適用範囲を広げてきたことにあると言われています。

その要因として日本人の「甘え」と「縮み志向」があります。

ベビースキ-マが、強い保護者と弱い幼児という一方向なのに対し、「甘え」は、観察者自身も他の誰かに保護されている、保護されてきた、という関係性が意識にのぼり、「かわいい」と思う自分と「かわいい」と思われる自分の、重層的な構造になっています。

【海外】
保護者「かわいい」⇒弱い幼児
(一方向)

【日本】
保護者の「かわいい」⇒対象A
対象Aかわいい⇒自分自身
(多重構造)

また「縮み志向」とは、小さいものを愛する価値観です。「かわいい」の対象を、生物から無生物、人工物へと拡大するのに貢献したと考えられます。日本語の「かわいい」は、幼児と直接関係ない対象にも使われます。

例えば小さなキーホルダーを見て「これかわいい」と思うのは、縮み志向から発展したかわいいになります。

マーケティングとベビーフェイス効果

マーケティングの世界では、ベビーフェイス効果が積極的に用いられています。

商品の広告やCMにゆるキャラに代表されるような攻撃性のない「かわいい」キャラクターを起用したり、アイドルを起用したりするのはベビーフェイス効果のわかりやすい例と言えるでしょう。

また以外かもしれませんが、好感度の高いタレントさんや芸人さんがCMなどに起用されるのもベビーフェイス効果を考えての部分があります。

見た目の「かわいい」だけでなく、その人の行動が「かわいい」であったり、言動が「かわいい」となった場合に日本ではベビーフェイス効果が大きく働きます。

これが最初に言った「cute」ではない「kawaii」のベビーフェイス効果といえるでしょう。

まとめ

諸外国と比べても日本はベビーフェイス効果が強く働く国と言えるでしょう。

例えば「私は元々の容姿がよくないから関係ない」と思うのは損なことです。

言動や行動でもベビーフェイス効果は生まれます。

あなたの日常に「かわいい」」を積極的に取り入れてみてはどうでしょうか?

ビジネスシーン、プライベートを問わず思わぬ嬉しい影響があるかもしれませんよ。

関連記事一覧